- 視点をどこにおくか
住所を表現するときにも、日本語と英語の発想の違いが表れていると思います。
例えば日本語であれば
東京都新宿区猫町1-2-3
というように、
自分の居場所の周辺情報から限定していくことで、徐々に自分の居場所をピンポイントで表現していくことになります。
つまり日本語の発想は、
周辺の情報、つまり、広い意味での条件を先にのべることで、どんどん中心へ向かっていくことになります。
一方で英語は
1-2-3, Neko-machi, Shinjuku-ku, Tokyo
と、まずは自分の住んでいるピンポイントの場所を指し示した上で、そこに新宿、東京と周囲の情報を足していく発想になりますね。
まさに今自分がいるこの場所!をピンポイントで主張し、
外に外に向かっていくイメージです。
実はこれはものすごいわかりやすい日本語と英語の違いだと思うのです。
「 どこに住んでいますか?」
という情報を説明するのに
英語だとその中心の情報から外に外に向かって行くのに対し、
日本語だとその中心の情報に向かって外から内に内に向かっていく。
この発想の違いを改めて意識してみましょう。
あなたが、新宿駅でちょっと不思議な人(奇抜なファッションの人でも、なんでもいいのですが)を見かけて、それをお友達や家族に言いたい。と思った場合、
「昨日さ、新宿駅でなんか不思議な人見かけたの!(又は、不思議な人がいた!)」
と、まずは周辺情報、つまり「昨日」という時間枠「新宿駅で」という場所の条件を発信することで、どんどん対象である「不思議な人を見た」に向かっていきます。
ただし、誰が見たのか?の情報はわざわざいいませんね。これは、あなたという情報の発信者が既に語り部(主語)になっていて、自分が見たことを説明しているからです。
これを英語で表現しようと思って、日本語の発想で、
Yesterday, at Shinjuku station, I saw a weird guy.
と言ったとします。まあ、通じますよ。でも、英語ネイティブからすると、聞いていてよくわかりにくく、なんとなく座りが悪く感じるのです。なぜなら、発想の順番が逆だからです。
逆に英語の発想のままで日本語を話そうとすると、
「私ね、不思議な人見たの。新宿駅で、昨日。」
となります。もちろん意味はわかりますが、なんとなく不自然な感じがしますよね。
英語では、その行為の発生元に目を向けて、その状況を客観的に説明をしていくことが原則です。
言いたいことの中心地はどこでしょうか。「私が見た」のですよね。
ですので、そのことを先に述べた上で場所や時間といった情報を追加していくことになります。
I saw a weird guy at Shinjuku station yesterday.
内から外
このイメージを常に意識していると、とっさに会議の場で発言しなければならにときに、自信を持って文章をstart出来るようになります。